「ドローセルマイアーの人形劇場」
斉藤 洋 : 作 , 森田 みちよ : 絵
あかね書房 , 147p., 1997年
ISBN-10: 4251066545
ISBN-13: 9784251066541
今日の一冊は、ドイツの架空のある街の、一人の青年の転職話。
高校教師のエルンストが、人形遣いのドローセルマイアー老人とともに旅を始めた頃の、
少しふしぎな物語です。
連休を過ぎて新生活にも馴れ、心身ともに充実している人にも、
春先の怒涛の日々に休む間もなく、少し疲れてしまった人にも、
一人一人に届けたい一冊です。
(※今回の対象年齢は、青少年とほぼすべての大人たち、で。)
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「山に肉をとりに行く」
田口 茂男 : 写真・著
岩崎書店 , 36p. , 2012年
ISBN : 9784265043651
自分で料理をするとき、私たちは多くの場合、お店で材料を買ってきます。
野菜、果物、魚、肉、海藻、牛乳、豆腐やベーコンなどの加工食品、調味料…。
家庭菜園で野菜を育てたり、家族が釣ってきた魚を捌くことはありますが、私も自分で
鳥を絞めたり、獣を解体して肉を切り分けたりした経験は、今まで一度もありません。
(やってみろと温かいまま渡されてスンナリ出来る自信も、恥ずかしながらありません。)
けれど、昔ながらの自給自足に近い生活を営んでいる人たちは、今も全国にいます。
この本の舞台は、岐阜県飛騨地方、郡上市明宝(旧・郡上郡明方村)。
主人公は、熟練の猟師であり、農家であり、林業にも携わる、山仕事のプロたち。
作者は、この地に20年以上住む、東京生まれのベテラン写真家(兼、猟師見習い)の田口氏。
今日の1冊は、自身も山と川に魅せられた作者が、山と生きる人たちの「日常」を淡々と追った
ほぼ全ページ写真入りのルポルタージュ。小学生から自分で読める、写真絵本です。
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「旅の絵本 II」(旅の絵本 : 2)
安野 光雅 : 作
福音館書店 , 48p. , 1983年
ISBN : 978-4834007305
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「旅の絵本 II 」改訂版 (旅の絵本 : 2)
安野 光雅 : 作
福音館書店 , 52p. , 2006年
ISBN : 978-4834022490
先月末、愛知県春日井市のギャラリーで行われている
『安野光雅 – 絵と文学の出会い -』を観にいきました。
2006年に刊行された『旅の絵本Ⅱ』改訂版の原画も、たくさん見ることができました。
今日の一冊は、この原画展の目玉の一つだった「旅の絵本Ⅱ(イタリア編)」より。
展覧会で原画を見ていて思ったことと、自宅で新版と旧版を対照しつつの感想です。
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「ケイゾウさんは四月がきらいです。」
市川 宣子 : 作 , さとう あや : 絵
福音館書店 , 128p. , 2006年
ISBN : 978-4834021981
今週末には、もう三月。卒園・卒業シーズンですね。
春は別れと出会いの季節。…というのはこの時季の定型句ですが、
それは、人に限ったことではないのかもしれません。
この本の主人公、幼稚園で飼われている雄鶏のケイゾウさんも、その一羽。
今日の1冊は、4歳くらいの小さな子から、ワクワクハラハラ楽しめる短編集。
そしてきっと、大人になるほどシンクロする視点が増えて、面白く読める一冊です。
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「まよなかの魔女の秘密」(こそあどの森の物語 : 2)
岡田 淳 : 作・絵
理論社 , 192p. , 1995年
ISBN : 9784652006122
この世界は静かで穏やかで、それでいてわくわくもあり、幻想的で、少しさみしい。
そんな「こそあどの森」に住む「ある大人」が、今回のキーパーソン。
大人の想いの物語。いちばん大切な人の秘密にまつわる、物語です。
10冊目の今日取り上げるのは、小学生の頃からずっと大好きな作家さんの本。
中でも、大人になってから読むたびにどんどん好きになっている一冊です。
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「はてしない物語」
ミヒャエル・エンデ : 作 , 上田 真而子 , 佐藤 真理子 : 訳
ロスヴィタ・クヴァートフリーク : 装画
岩波書店 , 590p. , 1982年
ISBN : 9784001109818
私が初めて装丁の美しさに惹かれた本。そして、徹夜するほど時間を忘れて読んだ本は、
この「はてしない物語」でした。
小学三年生のとき、確か、長期休暇でも連休でも週末でもない、普通の日でした。
翌日の授業の内容は夢の彼方で、見事に覚えていません(O先生ごめんなさい)。
この本は、世界中で翻訳されているドイツ指折りのファンタジー作家、ミヒャエル・エンデの代表作。
80年代の人気映画『ネバーエンディングストーリー』の原作でもあります。
人気作で星の数ほどレビューがあることを幸い、物語の紹介は先達にお任せして、
今回は「児童文学として」より、「装丁」と「物語」とのリンクを「面白い!」と思ってくださる
方向きの、いつも以上に趣味に走った、ミーハー路線の内容でお送りします。
物語の紹介からは横道に逸れた回となりますが、もしよろしければお付き合いください。
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「コンビニたそがれ堂 : 星に願いを」
(コンビニたそがれ堂 : 3)
村山 早紀 : 著 , 早川 司寿乃 : 絵
ポプラ社 , 246p. , 2010年
ISBN : 9784591118306
早いもので、明日からはもう二月。
松の内に初詣に行ったのがまだ先週のことのように思えるのに、あっという間に月末です。
今日紹介する1冊は、狐の神さまが店長をしている、少し変わったコンビニのお話です。
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「オバケだって、カゼをひく!」
(内科・オバケ科ホオズキ医院 : 1)
富安 陽子 : 作 , 小松 良佳 : 絵
ポプラ社 , 143p. , 2006年
ISBN : 9784591090299
一月後半、冬真っ只中。インフルエンザが流行っています。
風邪予防には手洗いうがい。ほどよく重ね着、きちんとごはん。予防は早めに着実に。
それでも風邪を引いたなら、温かくしてゆっくり休息。それでもダメなら、お医者さんへ。
今日の一冊は、オバケがかかるインフルエンザ――鬼インフルエンザの予防に奔走する
「この世で唯一のオバケ専門医」鬼灯先生と、うっかり巻き込まれた恭平少年のお話です。
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「精霊の守り人」(守り人シリーズ : 1)
上橋 菜穂子 : 著 , 二木 真希子 : 絵
偕成社 , 328p. , 1996年
ISBN : 9784035401506
今年の成人式は、東京から北では数年ぶりの大雪の日になりました。
それでも少しずつ確実に日差しは長くなっていて、梅のつぼみも膨らみ始めて、
一年で一番寒い時季の中にも、段々春が近付いてきていることが分かります。
今回紹介するのは、目覚めの春を転機に物語が大きく動く一冊です。
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「ぼくはアフリカにすむキリンといいます」
岩佐 めぐみ : 作 , 高畠 純 : 絵
偕成社 , 102p. , 2001年
ISBN : 978-4035010401
キリンは、アフリカ住まい。景色はいいし、ごはんもおいしいし、いうことなし。
――でも、ひとりぼっちで、なんとなく、退屈。
ある日、(同じく退屈を持て余していた)ペリカンの「郵便配達始めました」という
ポスターを見たキリンは、まだ会ったことのない「地平線の向こうに住む誰か」に、
手紙を書いてみることにしました。
七草を過ぎて、今年いただいた年賀状を改めて読んでいます。
そして、やっぱり、直筆のお手紙って嬉しいなぁ。と、しみじみ。
今日紹介する一冊は、アフリカに住むキリンと「地平線のむこう」で暮らすペンギンの、
大真面目で、どこかユーモラスな文通の様子を描いたお話です。
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