アイコン 「科学と科学者のはなし」寺田 寅彦


9784001145106「科学と科学者のはなし」

寺田 寅彦 : 著 , 池内 了 : 編

岩波書店 , 284p. , 2000年

ISBN : 978-4001145106

 


 

こんな先生が身近にいたら、科学を好きにならないでいられるわけがない。

この本は、根っからの寅彦好きである池内氏が、青少年向けに編集した一冊です。

作者の寺田寅彦は、アインシュタインの来日歓迎会にも出席した第一線の科学者であり、

旧千円札の顔になった夏目漱石の愛弟子であり、自身も一流のエッセイストでした。

 

彼のエッセイを最初に読んだ高校生のとき、私はワクワクがとまりませんでした。

今でも読むたびに発見があり、読後の日常は彼の視点を得て益々楽しく、面白くなります。

科学者らしい冷静な好奇心に満ちた視点は、100年近く経った現代でもまったく古びたところなく。

それどころか今なお斬新で、キリッと角が立っていて、かつ、茶目っ気も見え隠れ。

読めば読むほど、寺田寅彦と言う人は(自身でも語っているとおり)、

「自然を恋人とした、自然が真心をうち明けた」科学者であり、文学者なのだと感じます。

 
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アイコン 「ミラクル・ファミリー」柏葉 幸子


9784062086530「ミラクル・ファミリー」

柏葉 幸子 : 著 , 徳永 健 : 絵

講談社 , 166p. , 1997年

ISBN : 978-4062086530

 


 
九人の父親を描いた、九つの家族をとりまく物語。一話読みきりの短編集です。

 
子どもの本では「母と子」を題材にした作品がよくありますが、この本では全編通して「父親」が鍵。
「お父さん」も「オヤジ」も「パパ」も――別の呼称の方がぴったりくる父も、出てきます。

 
内容は、思わずくすっと笑ってしまうものやファンタジックなもの、日本的ホラーにゾクッと肝が冷えるものや、大人になった今読むからこそ登場人物の行動が理解できるもの。そして、自然と涙がこぼれてしまうものまで、様々です。

 
子どもの頃に読んでも十分面白い作品ばかりなのですが、
この本はぜひ高校生以上の人にオススメしたい一冊です。

 
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